自由研究をオススメするのはなぜ?

ズバリ、「お子さんの成長につながる6つの力を伸ばす最高のチャンスだから」です。

自由研究ってめんどくさい?

夏休みの自由研究は、ほとんどの子どもたち本人だけでなくその親御さんにとっても面倒なもののようです。なぜなら、実験観察の題材を探さなければならないし、その実験観察は面倒だし、極めつけはそれをレポートにまとめなければなりません。学校で必須課題に指定されているわけでもなければ、できれば手をつけたくないという方もいるかと思います。

自由研究は勘違いをされている!

中には、実験は楽しいけれども、レポートにまとめるのが面倒くさい。というお子さんもいるかと思います。これは、自由研究の目的は「理科的な実験をしてまとめること」と勘違いされていることが一番の原因だと私は考えています。当たり前と思うかもしれませんが、自由研究の目的は、「研究すること」です。

「研究すること」ってなに?

研究すること、とは、簡単に言うと、「自分だけの大発見をして、皆に認めてもらう」ということです。理学博士の私に言わせれば、「研究すること」は、(やっぱり)大変なものですが、めちゃめちゃ楽しいものです。「自分だけの大発見」と聞くと、ワクワクしませんか?

「自分だけの発見」ってどうしたらできるの?

まずは、自分だけの「疑問(なぜ?どうして?)」を見つけることです。そして、「仮説(きっとこうだ)」を立てることです。「きっとこうだ」が思いついたら、それをどうやったら確かめられるかを考えて実験し、結果をまとめて「きっとこうだ」が正しかったか確かめます。「きっとこうだ(仮説)」が「こうだった(結果)」に変わったら、大発見のタマゴの誕生です。

「自分だけの発見をして、皆に認めてもらう」には?

自分のした研究を他の人に見てもらって、「誰が見ても君の言う通りだ」と言ってもらう事で、ようやく認めてもらったことになります。そのために、自分の研究を分かりやすくまとめて発表するわけです。これは、プロの研究者が、ラボで実験し、結果をまとめて学術論文や学会に報告することと何も変わらない立派な「研究すること」です。

たとえば、どんなことが研究なの?

左は「研究すること」、右は皆が嫌がる「勘違いされた自由研究」です。

研究すること 勘違いされた自由研究
疑問 毎朝必ず信号につかまるなぁ。 なし(レモン電池を作ってみよう)
仮説 信号につかまらない出発時刻があるかもしれない。 キット通りに確かめてみる
実験観察 途中の信号の変化を記録して、パターンを見つけてやる!! レモン電池を作ってみた。LEDが光った!!とにかくいろんなくだものでやってみよう!
結果 信号はそれぞれ決まったパターンで変化している! レモン、オレンジ、お酢は光ったけど、大根、しょうゆは光らなかった。
考察 パターンを良く見ると、ずっと青信号で進める歩き方があるぞ! (何を書けばいいか分からないな)
結論 この時刻に出発して、このスピードで歩けば、信号につかまらずに駅にいける。 レモン、オレンジ、お酢は光ったけど、大根、しょうゆは光らなかった。
面白そう? この大発見、人に自慢したくなりませんか?すげーっ!って言ってもらいたくありませんか?だから、レポートにして発表するというわけです。 このレポート作成は、苦痛ですね。

もしかしたら、皆さんも普段の生活の中で、こんな発見をしているのではないでしょうか。
折角の機会ですから、その大発見を研究にして報告してみましょう!

「科学すること」で身につく6つの力、で説明したように、
科学的なプロセスは、お子さんのさまざまな力を伸ばすきっかけになります。
自由研究は、子どもに「科学することを」体験させる最高の機会なのです。

ぜひやってみませんか?

2020年11月5日