自由研究のテーマの決め方 失敗しないテーマ選び
自由研究のスタート地点、テーマ選びにもコツがあります。
【案出し】まずはお子さんの自由な発想から
お子さんに、日ごろから疑問に思っていることを聞き出すことから始めましょう。
思いつくままに適当に10個くらい、自然に関連する疑問を紙に書きだします。
間違っても、「この実験がやりたいから」という理由でテーマ選びをしないことです。
また、「この現象を確かめたい」というテーマも失敗します。
【第一選考】仮説を訪ねる
思うままに上げたそれぞれの疑問について、答えは何だと思う?と、お子さんなりの予想を聞いてみましょう。
予想を答えてくれたら、それはどうして?とさらに聞いてみましょう。
ここで、大人も納得する理由を答えられたら、通過です。
予想が出ないものは、落選です。(論文にするときに必ず困ります。)
【第二選考】研究することで解明できるか
一次選考を通過したら、どうやったら確かめられるかを聞いてください。
どうやって何を測れば、その予想を確かめられるのか、具体的にしていきます。
バッタがどれだけジャンプできるか知りたいときは、とんだ距離を測るのか、とんだ高さを測るのか、とんだ回数を測るのか。
測る、と一言で言っても、いろんな「測る」があります。
また、お子さんはまだまだ論理的思考力を高めている段階ですから、
大人の目で見て、その方法じゃわかんないじゃん、というもの(筋道だっていないもの)が必ず含まれています。
また、それは夏休み中にはできないよ、装置が高すぎるよ、その虫は捕まえるのが大変だよ、などの実現可能性も見てあげてください。
【最終選抜】失敗しないテーマ選びのポイント
ここまでに残っているテーマから、自由研究のテーマを選びましょう。
選ぶポイントは、
・どんな結果が出ても、論文化できるか。(どのくらい、どれだけ、何時ごろ、など量を調べる研究は、非常にまとめやすいです。)
・グラフが書けるか。(調べたものを数字にできるか、とも言い換えられます。これもまとめやすいです。)
・ボリュームが確保できるか。(1回調べておしまい。だと、ちょっと寂しいですね。)
以上の観点から、最も適したテーマを選びます。
いくつかのテーマが残っている場合は、お子さんに決めてもらうのが良いと思います。
ここまでの選抜作業を、完全にお子さんの自由な発想に任せて進めていくと、残るものが何もない場合もあると思います。
そこは親御さんが、各選抜のタイミングで、こうやったら調べられそうじゃない?など適宜アドバイスしてあげて良いと思います。
その時、大人の専門的な知識は逆に邪魔になります。お子さんと同じレベルの発想で、構わないです。(むしろ良い)
大事なのは、お子さんが、一緒になって自分も考え、自分で決めたんだ、と感じることです。
「この実験がやりたいから」でテーマを選ぶとどうなるのか
例えば、紫キャベツの汁で実験してみたいから、台所のいろんなものの賛成アルカリ性を調べます。というテーマ。
これは研究ではなく、調査(仮説なく、実態を調べるもの)です。
調査にも価値がありますが、レポートにするとき、特に考察に苦労します。
豊富な知識と発想が無いと結論にこぎつけられず、調べて終わり。で、何??というレポートになって、
6つの力を一つも伸ばすことができません。
「この現象を確かめたい」というテーマを選ぶとどうなるのか
例えば、ボールは45度に傾けて投げると遠くに飛ぶ、と知られているが、本当か確かめたい。というテーマを立てたとします。
もう知られていることをテーマにしているため、読み手にとっての発見もなく、ただ確かめましたという実験にすぎないものになってしまいます。
極めつけに、この類のテーマは、実験がうまく行かないことがよくあって、どうしてうまく行かなかったのか、を考察するレポートが出来上がります。
だから、「どんな結果が出ても良いテーマ」を選ぶのです。