Scratchではじめる機械学習 ―作りながら楽しく学べるAIプログラミング (オライリー・ジャパン)



石原 淳也 (著), 倉本 大資 (著), 阿部 和広 (監修)
オススメ度:★★★
カスタマイズされたScratchを使って、簡単に機械学習を楽しめる本です。この本とScratchが遊べる環境があれば、追加投資は不要で機械学習で遊ぶことができ、非常にコスパが良い選択肢です。

この本に書いてあること

 機械学習とは何かが平素に説明してあるだけでなく、Scratchを使って機械学習を遊ぶめのいくつかのアイデアが解説されています。さらには、遺伝的プログラミングについても、サンプルプログラミングとともに紹介されています。この本を読んでサンプルプログラムで遊ぶことで、カメラに映した物や動作、マイクで入力した音をAI認識させる事ができるようになります。

巻頭で紹介されているサンプルプログラムから度肝を抜かれます。本当に簡単に画像認識を試すことが出来ます。左の写真は、Scratchの画像認識でマグカップを認識させたところです。
右の写真は上と同じプログラムでボールペンを認識させたところ。ほんの数分でできてしまいます。

この本の面白いところ

 機械学習を使えるようにカスタマイズされたscratchを使ったサンプルプログラムは、ネット環境さえ整っていればすぐにでも試してみることができます。サンプルプログラムは良い意味でどれも簡単なものばかりです。複雑なサンプルプログラムを載せるのではなく、シンプルなプログラムで機能自体の使い方を理解させ、あとは各自のアイデアでどんどん発展させてね、というScratchのあるべき姿を体現したような本だと思います。

この本を買う前に

 Scratchを使える環境が整っていることが前提となります。また、本の中にも書かれている通り、基本的なScratchの使い方ができるようになっていないと内容を理解するのは難しいと思います。後半の遺伝的アルゴリズムは、私は非常に面白かったのですが、小学生には難易度が高いと思います。ただ、前半の機械学習部分だけでも購入の価値は十分あると思います。

この本で「科学する」

 例えば黒田かがく教室では、この機械学習の機能を使って、AI図鑑を作れないか試みました。(Facebookの記事はこちら)簡単なプログラムでも、カブトムシとクワガタムシを区別することはできました。エノキとケヤキは難しかったです。この試行錯誤をするのが面白い!!

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2021年2月14日プログラミング, 本レビュー