可視光の分光光度計を自作するプロジェクト②

可視光の分光光度計を自作するプロジェクト①

 自作の分光器(記事へジャンプ)を応用して分光光度計を自作できないか(可視光の分光光度計なら作れるのではないか)、ということを思い立ったので、試すプロジェクトのその2です。

前回の記事


 前回の記事では、分光器を通して見た蛍光灯の光のスペクトルが、数値化できそうだ、というところまで書きました。今回はこの原理を使って分光光度計を作ってみます。

分光光度計の仕組みを知っていれば簡単

 偉いもので、理学部というのは、こういった測定機器の原理まで学ぶものですから、どうやれば自分で作れるのかは大体理解しています。分光器を2つ並べて、片方の分光器の光の入り口には水道水を。もう片方の分光器の光の入り口には食紅水を置き、見えたスペクトルを並べて写真に撮ります。

食紅で色を付けた水溶液を分析してみます。
こんな風に、食紅水溶液と、コントロール(水道水)のスペクトルが並んで見えるように工夫しました。

測定の結果

赤、青、黄色、緑の食紅水溶液の可視光領域のスペクトルを撮影することが出来ました。左に食紅水溶液、右にコントロールの対になっています。これを数値化します。
まずは赤色。青系統の色が吸収されていることが分かります。吸収された色は見えなくなるので、残った赤が見えるというわけです。
青食紅は、赤と黄色の光が吸収されています。反対側の色を補色といいます。補色同士が混ざると、人間の目には見えなくなります。
黄色は赤食紅と似て、青系統の色がごっそり吸収されていますが、赤食紅と違うのは、緑色は吸収されずに残っていることです。赤と黄色と緑が混じると、真ん中の黄色が残って見えます。
最後は緑。緑以外の色がほとんど抜け落ちてしまっています。

もうちょっと遊んでみた

 青色の食紅と、黄色の食紅を混ぜると、緑色になるはずですが、可視光の吸収スペクトルはどう変化するでしょうか。

見た目では同じ色に見えます。
スペクトルは結構違いました。大きく違うのは、赤の左の方の色は残っていることでしょうか。見た目が同じ色でも、別の物質であるという事が分かります。

今回は、分光光度計を自作してみました。
正直こんなにうまくできると思っていなかったので、ちょっと驚いています。
これをつかうと、物質の濃度を測定出来たり、溶けている物質を同定出来たりする。はず。

さらなる応用のご報告をご期待ください。